Share

018 正義感

Penulis: 坂森大我
last update Tanggal publikasi: 2026-08-08 09:55:06

 スラム街に来て十日目。俺は後悔していた。

「怒りに任せて斬り付けるんじゃなかった」

 銀等級冒険者の二人は今や全裸で這うしかできず、ゴミを漁って生きている。それはそれで溜飲が下がるものであったけれど、彼らの装備や衣服まで切り裂いたことを後悔していた。

「少なくとも服があれば衛兵に捕まらずに所領まで戻れたのに……」

 スラムには闇市があって、そこを仕切る婆さんに銀等級冒険者の剣を売ったのだが、なんと二本で銅貨五枚。搾取されまくった俺は今も服すら買えなかったんだ。

「最低限の服が買えるまで悪漢退治を続けるしかねぇな」

 闇市の古着は銅貨五十枚。ぼったくり価格だが、闇市なのでしょうがない。

 婆さんは何でも買い取ってやると話していたし、そこまで遠い未来でもなかったから俺は腰布と包丁一本で生きていくことに。

「あれ……?」

 スラムを彷徨いていると、何だか騒がしいことに気付く。

 ゴミが流れる水路の向こう側で、どうしてか悲鳴が轟いていた。

「どうしたんだ?」

 とりあえず俺は様子を見ようと橋の欄干に近付いている。

 とても人前に出る格好ではなかったが、スラム側にいたのならお咎め
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 聖女の身代わりとして死ぬ運命だったけど、どうしてか俺は成り上がって終末世界で無双しています   079 一目惚れ

     私とフィオナ殿下は二人して森へと入ります。 最初に水精霊の雫をかけてもらいましたので体調も完璧です。しかし、本当に殿下は美しい人でして、慈愛の心まで持ち合わせているのですから最高の姫君だと思います。 フィオナ殿下のレベルが二つ上がったところで休憩中。恐らく私の身体を気遣ってくれているのでしょう。「リィナ様は聖女であられますのに、剣を持って戦われるのですね?」 フィオナ殿下が水分補給をしつつ言いました。 ああ、それね。私だって祝福の儀を受けるまで聖女になるだなんて考えもしなかったんだもの。健康のために始めた剣術が意外と面白くて、今でも続いているというだけです。「女性らしくなくてすみません……」「ああいえ、そういう意味では! 頼りになると考えていたのですわ」 聞けば、この組分けには不安を覚えていたみたい。まあ聖女と精霊術士だけで黒山に入るのは流石に躊躇するところですよね。「しかも、本当にお強い。わたくしの見せ場がなくなってしまいますわ」「ルカ様のおかげです。レベリングに付き合ってもらいましたから。今はソロでも危険度三等級くらいなら戦えます」 ルカ様がいなければ、こうはなっていません。  本来、聖女というジョブは力に長けていませんし、私の強さは極端に上がったレベルのおかげなのですから。「ルカ殿下は本当に真っ直ぐなお方なのですね……」「ルカ様は芯をしっかりと持っておられます。私の病気を知っていたとしても、使徒としての使命を忘れない。あの方はきっと世界を救う。誰にも負けない信念をお持ちなのですから」「目的はわたくしも伺いました。ですが、信念以外にも感じますの。ファイアードラゴンに襲われたわたくしたちを逃がしてくれたのです。あの場面はわたくしたちを切り捨てても良かったと思います。仮に世界を救うことを第一としているのなら」 ルカ様はそういう人ですからね。  誰にでも手を差し伸べてしまう。彼は身の危険など考慮できない。危機にある者を見つけたのなら、救うことしか考えていないの。「ルカ様のアレはお人好しです

  • 聖女の身代わりとして死ぬ運命だったけど、どうしてか俺は成り上がって終末世界で無双しています   078 ミリアと

     二手に分かれての登頂。八合目で落ち合う約束なのだが、出発点は明確に異なっている。「さてミリア、お前はその短剣で戦うのか?」 まず気になったのはミリアの武器である。かつて包丁で戦ったことのある俺だから、余計に気になってしまうのだ。 なぜなら短剣は扱いやすいけれど、致命傷を与えるのに不向き。レベル上げという縛りにおいて残念な効果しかなかった。「長剣は重いですし……」 こんなときミリアが男であればと考えてしまう。  残念ながら愚者の女神の使徒は女性であり、長剣を振り回すほどの力がない。「じゃあ、錬成してみろ。お前ならできるはずだ」「錬成ですか?」 俺はアイテムボックスから、魔将軍マステルの亡骸を取り出す。錬成素材としては最上級と言えるものだろう。「これは俺が討伐した魔将軍マステルの亡骸。腕を切り落とすから待ってろ」 長剣として錬成するのに、全てを使う必要はない。 俺はとりあえず右腕を切り落として、ミリアに手渡す。 流石に躊躇っていたけれど、王子殿下が手渡すものを拒むなんてできなかったのだろう。「レベル20であれば等価錬成を覚えているはずだ。手持ちの小剣とこの素材を使って長剣を錬成して欲しい」 実をいうとゲームにおいて俺はミリアをレベル50までしか上げていなかった。彼女が加護として授かったスキルですら俺は覚えさせていない。 未知なる部分が多かったものの、等価錬成は回復薬を大量生産するのに役立っており、突出した力はなくとも重宝するスキルであった。「分かりました。初めてですけど頑張ってみます」 小剣とマステルの右腕を並べ、ミリアはスキルを行使する。上手くいけば素材に応じた長剣ができあがることだろう。「等価錬成!」 即座に錬成陣へとアイテムが吸い込まれていく。  輝きを発したそれは次第に光を失い、錬成結果が明らかとなる。「あれ……?」 錬成陣に残ったのは真っ黒なアイテムであった。既に短剣でもない。黒く澱んだ何かである。

  • 聖女の身代わりとして死ぬ運命だったけど、どうしてか俺は成り上がって終末世界で無双しています   077 四人の使徒

     準備を済ませたフィオナたちとロビーで合流。俺たちはレザルの街をあとにし、国境付近にある黒山へと馬を走らせていた。「フィオナ、馬に乗れたんだな?」「わたくしは戦うと決めてから全てに取り組みましたの。戦場にて必要なことを精一杯にこなしてきました」 俺が死んだものと考えていたフィオナは必要と思われる全てに努力してきたらしい。 正直に助かっている。もしも彼女が馬に乗れなければ、誰かが後ろに乗せる必要があり、それは俺である可能性が高かったからだ。 美女にしがみつかれることは男冥利に尽きるけれど、リィナの嫉妬をその身に浴びるのは生きた心地がしないだろうし。「あとミリア、初めまして。君は戦闘に長けていないだろうけど、有能な加護を持つ者だ。申し訳ないけれど、強くなってもらう」 異なる世界線で会っていたけれど、フィオナとも初対面となっていたのだし、恐らく矛盾を生まぬように改変されているはずだ。「ルカ殿下、初めまして。あたしはただのメイドだったのですが、女神様に加護を授かっていたみたいです。世界を救う使命があるのだとか……」 まあ困惑するだろう。  一応は貴族であるはずなのだが、ミリアは洗礼も祝福も受けていない。三女であったことも原因なのだろうな。「戸惑うだろうけど、俺は君が優秀な錬金術士になれると聞いている。期待しているぞ?」「ははは、はい殿下!?」 他にも気になる話が俺にはあった。  どうせ一時間は馬を走らせる必要がある。この機会に聞いておこうか。「それでフィオナ、フィンはどうなっている?」 祝福を受けたフィオナであれば何か知っているだろう。  皇国側最後の英雄。時空術士フィン・ニルス・クロノリアはやはり騎士学校に入学していない。「ニルス様の使徒でしょうか? しかし、イリア様は教えてくれなかったのです。なので、騎士学校にはミリアだけを連れております」 まあそうだろうな。女神たちは同じ目的を持っているというのに、協力し合っているという様子はないのだし。「ただニルス様はルカ様を狙っ

  • 聖女の身代わりとして死ぬ運命だったけど、どうしてか俺は成り上がって終末世界で無双しています   076 救世主

     翌日は入学式であった。俺は代表して挨拶することになっている。 二年前、アークライトが務めたとのことで、俺に声がかかったらしい。かといって、本年度はイステリア皇国の皇女殿下も入学されていたのだけど。「ルカ・シエラ・シルヴェスタだ。一年間、よろしく頼む。代表での挨拶とのことだが、まず最初に言っておくことがある」 騎士学校には王国と皇国の上位貴族以外に、小国の王族や上位貴族も入学している。 基本的に彼らは世界の平和を求めておらず、騎士学校を卒業したという肩書きを手に入れたいと考えている者たちだ。 だから、言っておかねばならない。俺が遊び半分で来ているわけじゃないってことを。「俺は魔国の侵攻から人類を救うために来た」 それ以外の理由はない。女神の使徒として俺はこの場にいるのだから。「よって真面目に訓練しない者には容赦ない叱責を加える。貴族院は身分差を考慮しない場所であるが、シルヴェスタ王家との関係を重んじるのなら俺が話す通りに動け」 ざわつく大講堂。入学式に不似合いな俺の挨拶は全員を戸惑わせている。「世界の滅びは近い。気の抜けた訓練は許さない。気に入らないのなら、さっさと所領へ帰れ。戦う気がないのであれば邪魔だ」 学長ですら戸惑っている。俺が王子であるから静観しかできないのだろう。「優秀だと感じた者は重用させてもらう。女神様の話では在学中に戦争は拡大する。シルヴェスタ王国内も戦地と化すだろう」 帝国が存在する現状では信じてもらえそうにない。だから、俺は女神様の話として、知りうる事実を告げていた。「戦って未来を守ろう。人類の明日が永遠に続くように……」 言って俺は壇上を去る。  魔国を滅ぼし、世界を安寧に導くだけ。それは俺が騎士学校へと入った理由の全てだった。 呆気にとられたのか、拍手はまばらである。まあ別に賛同を得ようとしたわけではない。 俺が本気であること。世界を救済に導く決意を分かってもらえたら充分だ。「これはシリウスのためでもある……」 俺が運命を奪

  • 聖女の身代わりとして死ぬ運命だったけど、どうしてか俺は成り上がって終末世界で無双しています   075 ルームメイト

     私はフィオナ殿下と女子寮にある自室へと来ていました。 発作の症状は随分と緩和しています。薬は血流を介して魔力を循環させるものでしたが、成分の大部分が高純度の魔石でして、飲みすぎてはいけません。 薬は体内に魔力を循環させられるのですが、服用しすぎると魔力を生み出す魔腑という器官がダメージを受けてしまうからです。「申し訳ございません、フィオナ殿下……」 まずは謝罪を。従者を押しのけてまでルームメイトになってくれたのです。隣国の侯爵令嬢ごときに彼女は手を差し伸べてくれたのですから。「構いません。それより貴方がルカ様の仰っていた想い人なのですね? わたくしは正直に嫉妬を覚えておりますが、それは貴方の命を輝かせることに何の支障も生みませんわ」 やはりフィオナ殿下もルカ様を慕っておられる。  まあ当然よね。一般の市民までルカ様を悪く言う人はいない。まして彼女は元婚約者。彼の人となりを既に知っていることでしょう。「ご病気のことですれけど、わたくしの精霊術にて緩和できるかもしれません」「本当ですか!?」 意外な話です。私は彼女の恋敵だというのに、フィオナ殿下は期待を持たせるようなことを口にしていました。「レベル20で覚えた【水精霊の雫】。このスキルは精霊の癒やしを体内に浸透させられます。対象者の体内魔力を活性化させ、魔法威力を増大させるというものですわ」 聞く限り、私の病状に合うような気がする。  体内の魔力を活性化させることができれば、弱り切っている臓器にも影響を与えるのではないかと。「デメリットはありませんので試してみましょう。水精霊召喚!」 フィオナ殿下は早速とスキルを行使してくれます。  眼前に召喚された水精霊が私の身体に幾つもの雫を降り注いでいく。「あっ……?」 身体が熱くなっていました。  きっとそれはスキルの効果。心なしズドンと重く感じる倦怠感が薄れたような気がします。「効果があったように感じます!」「それは良かったですわ。治療ではございませんけれど、魔

  • 聖女の身代わりとして死ぬ運命だったけど、どうしてか俺は成り上がって終末世界で無双しています   074 再び交わる運命

     俺とリィナは双国立騎士学校がある北東の街レザルへと来ていた。  直ぐ北側はバリウス帝国であり、そこは今も魔国との交戦中である。「騎士学校に入ってもバリウス帝国が存在しているなんて」 ゲームの開始時点は帝国が滅んだあとだ。  それどころか王国内の前線基地も襲われ、アークライトが亡き者となっていた。しかし、現状において、帝国もアークライトも無事であり、人類側が優勢のようにも感じられている。「だけど、脅威は去っていないってか……」 聞けば魔王ベルゼス・バルゼは異様な強さであるらしく、魔将軍マステルが消失したところで、痛手でもないようだ。 今現在は騎士学校での手続きをリィナがしてくれているところ。俺は手持ち無沙汰に彼女を見つめているだけだ。 時間がかかっているのは山のような書類を提出しなければならないからである。俺は王子だというのに、役所仕事は割愛したりしてくれないらしい。「とにかく戦力不足だ。モブたちから戦力を見つけ出さないと」 双国立騎士学校は基本的にシルヴェスタ王国とイステリア皇国の上位貴族が中心であるけれど、周辺の小国からも入学者がいる。 ただゲームでは主要キャラ以外に名前を持つ者がいなかったので、俺には誰が強者であるのか分からない。選抜は授業を見てからということになる。「殿下、手続きが終わりましたよ?」「ああ、すまないな。やっぱ寮は別々か?」 夜の営み。それは俺が生を感じられる瞬間に他ならない。しかし、並行世界と同じであれば、決して叶わぬこと。男女の寮は別々になっているはずだ。「それは流石に。だけど、殿下がお望みなら……」「同室にしてくれたら良かったのにな?」「仕方ないですよ。私たちは別に婚約者でもありませんし……」 ゲームと同じであれば、王子といえど恐らく相部屋であって優遇などされないのだろう。「明日の入学式で殿下は代表して挨拶しなければなりません。文面は用意しておきます」「ああいや、俺は自分の言葉を伝えたい。義務的に入学したわけではないのだと表明した

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status